こいつ学園長の孫娘だから、何気にすげぇこと出来るらしい

お言葉に甘えて、採寸を取り消し、制服を頂いた

制服ってかなり高額らしいが・・・・・・まあいいだろ

昨日語られなかった回想にひたり、クローゼットのハンガーにかけてある制服を取った

ブラウス、スカート、ベスト、ブレザーを着た後、髪をといて整える

・・・・・・こういうヘアスタイルとかは、リーナの方が詳しいよな

リーナはあたしに、「美杏ってファッションとかそういうこと疎いわよね」って言ってきやがったんだぞ?

そういうのに触れる機会がなかったんだっつーの

いらぬ思い出まで思い出してしまった

とりあえず、鏡台の前に座り、この長い銀髪を頭の後ろの方で結い、ヘアゴムで束ねた

うん、我ながらいい出来だな

鏡で確認した後、あたしは自分の部屋を出た

バターの焼ける匂いが僅かに鼻を掠める

ふぅん?

「はよ、春」

「あっ、おはよっ、美愛」

キッチンに入り、トースターの前でうつらうつらと船を漕ぐ春

・・・・・・トースターで良かった。フライパン、使わせなくて

まあ、トースターとはいえ気は抜けないので、今度から監視を付けるべきか否か

本気で考えてしまうな

「そこで寝るなよ。せめてソファで寝ろ」

「えー・・・・・・でも、2人もリーナも早起きって言うし、早く作って早く行こうってなったし・・・・・・この時間じゃないと、間に合わないんだよ〜」

悲鳴をあげながら、春はガックリと肩を落とす