ごもっとも

「なら、それで抑えてやるよ・・・・・・」

リーナに頷いて、あたしは零に向き直る

「先手必勝・・・・・・だっけ?んなの、あたしには通用しねぇ」

そして、すぅ、と息を吸った

「我が魔力に呼応せよ。水よ、意のままに姿を変え・・・・・・閃光となりて射よ」

直後

あたしの周囲に、透明な槍・・・・・・それよりも鋭い、棒状のものが幾つも出現した

そして、閃光よりも速いスピードで・・・・・・零に向かった

「っっ!!!」

零と精霊たちが、ぎゅっと目をつぶったのが分かった

しかし、いつまで経っても、水の閃光は───あたらない

あたしは優しいからな?

それは・・・・・・零の眼前で停止していた

じりっと、僅かに後ずさった零

ぶるぶると震える精霊たちが、零の肩に乗って、今にも泣きそうだ

「・・・・・・仕方ねぇな」

はぁ・・・・・・とため息をつく零

「降参だ」

そう、静かに言い放った

潔いいじゃん

『しょ、勝者・・・・・・美愛さん』

興奮したような、震える莉央先生の声が聞こえた

未だに静かな闘技場は、一瞬で熱気に包まれた

「す、すごい・・・・・・」

「おい、こんな新入生今までにいたか?」

「聞いたことない・・・・・・すごいよ!」

「やばい、あの女の子強いしかっこいいし・・・・・・可愛い!」

「なんだこいつら、やべぇだろ!」

様々な声が飛び交う中

あたしと零、そしてリーナが思っていたことはただ一つ

「「「(うるさい・・・・・・さっさと静かになれ)」」」

これだけだった