精霊の中に、低位、中位、高位精霊と格があり、この中で最も格が高いのは高位精霊

しかし、美杏はその上。神位精霊である

格ごとに、自分自身の魔力で使える魔法の範囲が決まっており、神位精霊である美杏はすべての魔法を使役することが可能

今、美杏がリーナに対して使ったのは、風の衝撃波を創り出す魔法

その強い衝撃に耐えられず、リーナの体は吹っ飛ばされた

精霊女王にかなう精霊は存在しない

「ちっ・・・・・・手間かけさせやがって」

美杏は言葉にトゲがあるものの、優しげで申し訳なさそうな目でリーナを見た

「しばらくしたら戻る・・・・・・だから、それまでよろしくな」

そう言って、美杏はその部屋を出た




















この時

運命の歯車は

小さな音を立てて動き出した

その音は、誰にもわからないくらい微弱なもので

だが、確実に

回りだしていた