「あたしは春と同じ水属性だ」

「なら、一戦交えたい」

あたしが言った直後、待っていたかのように零があたしに言った

は?

お前、あたしにそれ言う?

一応、腐っても精霊女王なんだけど?

へぇ・・・・・・勇気あるじゃねぇか

「いいぜ・・・・・・放課後やろうじゃん」

「ふん、せいぜい今のうちから負けた時の捨て台詞を考えとけ」

今まさに捨て台詞を残して、零はその後、沈黙を貫いた





そして放課後

例により、あたしたちはここ、闘技場に来ている

ここは、年に一度、生徒同士で争う大会───魔法対戦が行われる会場だ

全校生徒が入れる広さになっており、その敷地面積は想像がつかない

一階の中央にステージがあり、その周りに観戦席

二階、三階も同じように観戦席になっており、観戦席のステージ側には強めの結界がはられている

これは・・・・・風属性の結界だな

風属性の結界は、少しだが渦巻いている。観戦に支障はないくらいに

だが、その渦巻きが大きな役割を果たしているのだ

要するに、魔力を1箇所に集めて消し去ってしまう

その結界自体に魔力が流れているので反発し合うが、結界を創った人の魔力───結界に流れる魔力の方が、反発し合う魔力よりも大きければ問題は無い

即ち、この結界は学校で一番魔力の高い人間が創ったはずだ