クリスタルの光が、徐々に弱くなっていく

もうすぐ通信が切れるようだ

なぜ突然、お母様と繋がったのかはわからない

『美杏、あなたならやれるはずです。私が出せるアドバイスはここまで・・・・・・これ以上の干渉は、冥府の人間が許さないでしょう』

「でも・・・・・・あたしは、まだ何も」

『もう一度言いましょう。あなたなら方法を見つけられる。私の娘です・・・・・・必ず、この戦いを終わらせなさい。これがあなたに課せられた最後の使命です』

そして、光は薄くなり

ふっと、クリスタルから消え去った

小さなクリスタルは、その直後に手の上で弾け飛ぶ

「あ・・・・・・」

再び、止まったはずの涙が流れているのに気づく

急がなくては

あたしが必ず、終結させる

この命、くれてやるよ

だが肝心の方法がわからないのであれば無理だ

それに犠牲魔法だ・・・・・・それなりに、魔力が必要になる

途方に暮れたその時だった

金色に光る、下級精霊が通れるほどの扉が、目の前に現れた

そして、僅かな音を立てて開いた

そこには

「・・・・・・零の、契約精霊?」

「「覚えていただき光栄です、女王陛下」」

現れたのは、小さな精霊

風属性の少女と、火属性の少年

3等身の体で扉から飛び出し、丁寧にあたしの前でお辞儀をした

すぅっと背後の扉が消えると、それぞれはさっと顔を上げた

「今までの無礼をお許しください。私達は、女王陛下に微力ながら協力をしたいと思い、参った次第でございます」

少女────ローザが緊張した面持ちで言う