「もちろんです。必ず」

「ありがとう・・・・・・魔導師よ。君たちのことは決して忘れない。どうか、世界を救ってくれ」

ゆっくりと、あたしは頷いた

耳元から離れ、踵を返す

「我々は今から神界浄化を行う。3グループに分かれ、宮殿外を捜索、浄化。魔物を発見次第、即座に浄化せよ」

『了解』

アストライオス様の指示に、綺麗な返事が帰ってくる

その時

これでもかと言うくらいな、地響きがした

宮殿全体が揺れてるかのよう

まるで地震。魔法界の時のような

立っていられなくなり、なんとか壁に手をついて保つ

「わわっ」

「うおっ」

春がバランスを崩し、そばにいた翔太を巻き込み床に尻もちをつく

・・・・・・よく翔太って、尻もちつくよね

零に至っては壁に背中を預けてるけど

「これって」

「神界で地震はありえないわ。つまりこれは、美杏がしたんでしょうね」

「美杏が?」

「ええ、恐らく地魔法」

リーナの推察は、確かに合ってると思う

神界は魔法界とは違うから、地震とかないって言われてもうなずける

しかもこの揺れは・・・・・・長い

まだ続いてるから

「一刻も早く向かってくれ」

アストライオス様から促され、イーリス様は、覚悟を決めたように、一歩踏み出す

あたしたちに手招きした

「一緒に行きましょう」とでも言うように

零に視線を走らせると、彼はじっと、奥の廊下を見つめていた

心配、なんだなぁ

でもそれは、零だけじゃないからね

「行きましょう、イーリス様」

あたしたちは六人で、微かに瘴気が残る廊下に足を向けた

~千聖 side end~