みんなに繋ぐ、全ての想いをここに

最後は・・・・・・あいつ!

風を集中的に浴びせる

あたしとの距離、およそ50m

でも、アイラは涼しい顔

おかしい、もう届いているはず

「ふふー、ダメだよ美杏ちゃん。あたしにロアーが効くと思ったの?もしかして」

「は・・・・・・ドラゴンロアーは万物に効くはずですよ?」

「万物に、かぁ・・・・・・そこにあたしは含まれてるはずがないんだなー。だって全ての神様のトップだよ?」

まさか

万物に効くこのロアーは、万物を統べる存在には効かねぇのか?

いや、ありえねぇことじゃない。寧ろ有り得すぎるくらいだ

「こんなことしちゃダメでしょー?ほらっ、罰だよ」

妖艶に笑い、ぱちんっと指を鳴らす

その瞬間、魔力を纏った風は力を失った

おいおい・・・・・・まじかよ

すぐに魔法を使おうとする前に、開放されたドラゴンロアーは、謁見の間に鳴り響いた

『───────────────!!!!!』

「あ・・・・・・がう・・・・・・・・・」

鼓膜が大きく震え、耳朶に響いた

やっば・・・・・・意識が朦朧とする

ゆらゆらと揺れる世界の中で、あたしはようやく魔法を使うことが出来た

周りから音を遮断するように風を操作する

「はぁ・・・・・・っ」

大量に汗が吹き出す

まずい・・・・・・

「こんなもんなのー?あはっ、あたしがいた地位ってほんとに脆かったんだ」

きゃらきゃらと笑うアイラ

「こんな弱いやつがあたしの後釜?ふざけないでくれるー?」