みんなに繋ぐ、全ての想いをここに

切実そうな目であたしを見ながら、そう願ったリーナ

それをあたしは、あえて無視して

彼女を手早く追い返した




「ふー・・・・・・」

瘴気は奥に進むうちに更に濃くなっていく

その中を1人、突き進む

・・・・・・いくらなんでも、この廊下、長すぎじゃね?

すっげぇ奥まで続いてんだけど

「ってか、何がしてぇんだ」

かつては平和を望んでたアイラだ

なぜ、こんなことをする?当時の神の二の舞になるような事を

まあ、考えても仕方ねぇな

力ずくで、本人の口から直接問いただしてやる

心のうちに決めた時

突如、大きな広間にでた

「うおっ・・・・・・と」

廊下が突然として終わったのだ

へぇ・・・・・・ここが、王座のある謁見の間、ねぇ

そして、部屋の一番奥、そして最も高い場所に君臨する、王座に腰掛け、優雅に髪の毛をくるくると指先に絡めて遊ぶ女性

銀髪の、かつての精霊女王

アイラ様

「あれれー、もう来ちゃったの?あの濃度の瘴気じゃ全然効果ないみたいだねー」

やたらと語尾を伸ばし、呑気そうな声音の彼女

油断は禁物だ

相手は、かつての精霊女王であり、そして今の神

落ちぶれた、神だ

「・・・・・・ご機嫌麗しゅう、アイラ様」

かつての精霊女王、そして神という立場上、あたしは軽い挨拶をその場で行った

「おひさー、美杏ちゃん。おっきくなったねー」

「お陰様で」