みんなに繋ぐ、全ての想いをここに

「誰もいねぇな」

「本当ね・・・・・・」

王宮に入り、奥へと進む

真っ暗で瘴気が立ち込める中、神々の上を通過する際に浄化する魔法みてぇなやつを使った

清浄な魔力を、神々の上から投下する

あたしや神、そして天使達が使える業だ

これでしばらくすれば意識を取り戻すだろう

で、今は王宮の奥にある、アイラがいる所────謁見の間に向かう

廊下をするりと抜け、突き進む

道中誰にも合わず、特にトラップといったものもない

なんなんだ・・・・・・この油断しきった屋敷は

いつもなら嫌という程衛兵が立ち、神々が行き交っているというのに

それはそれで、平和な場所だった

それが、普通の王宮だった

私の屋敷とは、比べ物にならないほど、活気に溢れていた

なのに、なぜ・・・・・・

「────っ?美杏、この感じ」

「リーナも気づいたか」

「え、ええ・・・・・・この、力は」

薄々感じていたが、それにリーナも気づいたらしい

廊下を飛びながら突き進み、感じ取れる力を頼りに、瘴気の中をかいくぐる

この力、間違いない

きっとこの先に、アイラはいるはず────

そう思った時、瘴気が廊下の奥からあふれてきた

今とは比較にならない量で、濃ゆい

まずい、この量なら、リーナは───

「っあ・・・・・・」

横で並列飛行していた、リーナのスピードが明らかに落ちた

あたしの足元あたりで、必死に飛んでいる

「大丈夫か?」

前を見据えつつも、リーナに声をかけた