「お前ら・・・・・・」

まさか、全部聞いてたとか、無いよな?

無いことを祈る・・・・・・だが、その願いも虚しく

零から放たれた一言で、儚い願いは途絶えた

「俺も、連れて行け」

「ば・・・・・・馬鹿かお前は。無謀なことはすんじゃねぇっつーの!」

「ちょ、ちょっと美杏落ち着いて」

ガブリエルの制止も聞かず、あたしは続けた

「あのな・・・・・・!これは世界をかけた戦いだ!お前らが考えてるような生ぬるいもんじゃねぇ!合宿みたいな中途半端な勢いで、正義で・・・・・・やれるもんじゃねぇんだよ!」

一気に捲し立て、4人の表情が憂いに変わっていくのを見ながら、さらに続ける

「だから・・・・・・お前らは来るな。ここで平和に暮らせ」

「でも、美杏は置いていけない」

「これは俺らが決めたことだ」

「美杏がダメって言っても、絶対ついて行くから」

「行かせろ・・・・・・俺らは、お前に自分たちの命を任せるほど、落ちぶれてねぇよ」

強い瞳に見据えられ、あたしは一瞬怯んだ

ダメだ

どうしても、お前らは来てはいけない

相手は神だ

あたしの格よりも上

そして・・・・・・かつての精霊女王

強さははっきりしてる

こいつらに、さらに危険を背負ってもらう訳にはいかない────そう思い、口を開けかけた時

「行かせていいんじゃないかしら?」

聞きなれた声が聞こえた

数十年・・・・・・数百年もの時を共にした、ウリエルたちよりも長い付き合いの精霊

冷静で少し毒舌であたしを子供扱いして・・・・・・それでいて心配性で、過保護で、こんなあたしに構ってくれる