みんなに繋ぐ、全ての想いをここに

「精霊女王は、自分の住まう屋敷から出ちゃいけねえんだよ。だから、通りすがりの精霊にバレねぇように名前も変えたし、精霊であることを隠した。これで十分か?」

「お、おう・・・・・・」

論破(?)された翔太は、ちょっとしゅーんとする

まあまあ、そんなに気落ちしないで

とはいえ、やっぱり信じられない

でも、あの羽は本物だし、なにより大きい

この規模の翼なら────精霊女王であることに間違いはないだろう

「よし、あたしは信じる!」

「俺も信じるぜ!」

「先生も、美杏ちゃんが精霊女王だってこと・・・・・・信じるよ」

「あたしもあたしも!ちょっと驚きだけどさ」

「・・・・・・信じてやる」

なんで零一人だけ、上から目線のなのか

「ああ、さんきゅ」

それでも、美杏は薄い笑みを浮かべた

・・・・・・そうだ

あたしたち、美杏に言わなくちゃいけないことがある

「ね、ねぇ美杏」

「あ?なんだ?」

「美杏・・・・・・あの時は、その、ごめん」

「あ、あたしも、ごめんね」

「あの時・・・・・・ああ」

あたしたちの謝罪で初めて、あの時のことを思い出したらしい美杏

怒るかな、軽蔑するかな・・・・・・もう、絶交になっちゃうかな

そんな不安が渦巻く中、美杏は口を開いた

「別にいいって。あれは神が悪ぃんだからな」

「「え・・・・・・?」」

「なにアホな顔してんだよ。ま、あの時の分の鬱憤はちゃんと・・・・・・神に支払ってもらうからな?」

にかっと笑って言われた

よかった・・・・・・

でも、これで安心しちゃいけない

あたしたちには、美杏を助ける義務がある