「もうちょっといたわってくれ?」

「これでもいたわってやってるんだが?つーか、これ地震なら避難・・・・・・いや、違うな」

一度言いかけた言葉を切って、一人否定した零

そんな彼に、あたしは質問をした

「これが地震じゃないって言うの?」

「ああ、多分これは・・・・・・美杏の言ってた、『始まり』だろうな」

「「「始まり?」」」

なんのこと、いってるの?

それに、美杏が言ってたって・・・・・どういうこと?

「っはぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・ふぅ」

首をかしげ、さらに言及しようとした時、息を切らした莉央先生が突然乱入してきた

「みんな、怪我はないー?」

『ないでーす』

「おっ、その様子なら大丈夫そうだね・・・・・・」

いや、先生

約一名いらっしゃいます

恐らく唯一、怪我した奴が

「いや、俺大丈夫だけど・・・・・・ああ」

なんてこと、呟いてますよ?

「今からグラウンドにでて!万が一、何かあったらまずいからね!」

『はーいっ』

気持ちのいい、声の揃った返事をして、あたしたちは廊下にかけこんだ

整列もいいところに、そのまますぐに出発する

莉央先生についていき、たどり着いたのはもちろん学校のグラウンド

初等部も高等部も・・・・・・もちろん、中等部のみんなも大方集まっているようで

あたしたちは遅い方みたい

「みんなちゃんといる?ひぃふぅみぃ・・・・・・うん、いるね」

先生は1度止まって確認した後、「この辺りで並んで座っててね!」とだけ残してその場から消えた

多分、ほかの先生とかと話すためだと思うけど

「千聖」

「ん?なに、零」