はぁ・・・・・・なんだったんだ、零のやつ

突然理事長専用の部屋に来たり、あたしに普通に話しかけてきたり

矛盾してんじゃねぇかよ!

ったく、あいつの取る行動には悩まされるぜ・・・・・・

「にしても、寝すぎたか」

あいつ、夜だと言ってたから、それなりに時間が経過してるらしいな

そっと窓の外を見ると、濃紺の空に星が散りばめられていた

やば、本格的に夜じゃねぇかよ・・・・・・

「お風呂入りてぇな」

仕方ない

実体のない水で済ますか

ふっと水に呼びかける

そして、魔力を包み込むように両手を合わせ────弾くように手を叩いた

その瞬間、水の力を持った魔力が飛び散り、あたしの体にまとわりつく

付着したところから、今日一日でついた土埃や汗などが綺麗さっぱり流れていった

便利だな、この魔力の使い方

「さて、他の本も読んでみますか・・・・・・」




ちなみに


その夜


丸一日、あたしは読書に耽っていた