「よっ・・・・・・と」

どさっと机の上に、本の山を置いた

ぶわっと埃が舞い上がる

「うわ・・・・・・汚ぇな」

ここは図書室

──────の、最上階に位置する、伝承や危ない魔導書を集めた理事長の特別室

ここなら誰にも見つからないだろう、ってことで借りた

ただ問題は・・・・・・ここがどうも埃っぽいところ

陽の光が差し込むところに、空中を漂う繊維状の埃が見える

「仕方ねぇか」

あたしが無詠唱で念じると、空気が掃除された

清浄な空気になったな、うん

満足したところで、あたしは書物を開いた

これは理事長の言ってた伝承についてだな・・・・・・

ああ、因みに

さっき、精霊界への扉を開こうとしたが、無理だった

どうやら閉じられていて、ご丁寧に鍵までお誂えのご様子だ

ったく、ひでぇことするよな

ま、それは置いといて

書物に目を落とし、読み進める

「神は・・・・・・精霊女王の"力"を求め、戦争を起こした?!」

なんだこれ?!

んなの聞いたことねぇよ?!

「えと・・・・・・精霊女王と四大天使のお力により、戦争は神の敗北に終わり、当時の精霊女王が神に成り代わった・・・・・・か」

ふぅん・・・・・・なるほど

つまり、その精霊女王は、既に次の精霊女王となる精霊を産んでいたのか

ただ、この書物が本当なら、今の神は女性

うん、ちょっと───まあ200年くらい────前に会ったけど、確かに女性だったな

お母様からも女性って聞いてたからな