「我が魔力に呼応せよ。生命の源よ、命ある者に降りかかれ!」

「我が魔力に呼応せよ。水よ、意のままに姿を変え、閃光となりて射よ!」

あたしと心美、2人の魔法が発動した

今まで青空のひろがっていた天空から、細かな雨が降りかかった

その直後、あたしの魔法である水槍が春たちに向かって放たれた

「我が魔力に呼応せよ!水結界!」

詠唱する時間が足りなかったのか、心美は早口で唱え、強度はあまりない水結界を構築した

だが────

「・・・・・・っ」

「こ、心美、大丈夫?」

「大丈夫だよ、このくらい」

心美の水結界を貫き、水槍は心美に直撃

心配そうに声をかける春を見て、あたしは口角を上げた

今のところは作戦通りだな・・・・・・しかし

「この雨、邪魔だな」

集中力を散漫させるための魔法だが、あたしにとってはこのくらい問題ない

パチンと指を弾いた

すると、雨は即座に止んだ

「やっぱすげーな!」

「そうか?」

「指鳴らしただけで魔法を止めるなんてすごい」

「ふーん・・・・・・?」

いや、普通じゃね

まあ、そんなこと言ってる暇はないから言わないでおこう

っと、そういえば

「なあ、リーナ」

「なにかしら」

全く会話をしていなかったリーナに声をかける

浮遊しながら様子を見ていたリーナはぼうっとしていたようで

あたしの声にはっとしたかのようにこちらを向いた

「よろしくな」

「ちゃんとやるわよ。向こうの2人は精霊眼もちなんだものね」