「問題はそこじゃないわ。私が言いたいのは、会話の内容と千聖の行動なのよ」

「内容と行動?」

全くわかんねぇんだけど

つーか、なんで行動も含んでんだよ

挙動不審だったとか?

「千聖、私と話す時にわざわざ魔法を使ったわ。音を遮断し、伝えない魔法・・・・・・呪文でわかったわ。私相手に無詠唱でいかないのが悪いのよ。全属性の呪文なら把握しているし。風属性の精霊じゃないから油断したんでしょうね」

「なるほどな・・・・・・だがそれだけ、聞かれたくなかったとかじゃねぇの?」

「ええ、それなら筋は通るのだけれど・・・・・・内容が呪いと持病に関してなのよね」

「呪いと、持病?」

「そうよ・・・・・・しかもそれが、美杏についてだったの」

「あたし?あたしに呪いかけられてるとか、持病抱えてるとかか?」

「そう、大正解」

ふーん

あたしに、ねぇ

つーかさ

「それ、あたしに直接聞けば良くね?」

「もし持っているのなら、本人がわざと言わないのは隠しているから・・・・・・とでも思ったのでしょうね。でも、なぜ突然その話になったのかが分からないのよ」

「ああ、そうだな」

「そうでしょう、だって───」

「「あの千聖だからねぇ・・・・・・」

綺麗にハモる

あの千聖が呪いや医学に興味持つとか有り得ねぇな

ぜってー裏がある

「そうだわ・・・・・・確か零とこの話をしていたらしいの」

「零が・・・・・・ねぇ」

零、と口にした瞬間、昼間のことを思い出した