お返し……、ちゃんと用意してくれてたんだ。


もらえるとは思っていなかったから、軽く泣きそうになる。


「いいの……?」


「うん。まー、お返しってのは建前だけど……」


建前……?


颯太くんは頬を赤らめたまま、髪を少しだけいじると、真剣な瞳で話し始めた。


「先月のときは、本当に好きって気持ちがわからなかった。

誰かを好きになったこととかなかったし……。

けど、俺ちゃんと気づいたんだ。

自分の気持ちに……」


ドキドキと高鳴る鼓動。


もしかして……、と期待する気持ちが膨らんで、手に汗が滲んでくる。