花那がいつも愛用しているリップを使えば…自分でも
少しは可愛くなれると思って買ってみたものの……
「勇気」がなかった。


「花那ちゃんがオススメしてくれた、このリップ!
 買ってみたよー」
「綺麗な色使いでしょ?」
「オススメしてくれてありがとー」
「いいえ」


花那がオススメするモノは何でも人気。
「リップ」「洋服」「髪形」も…全部

でも、同じモノを買って、使ったとしても…「同じ」
にはなれない。

その言葉が…心の片すみにある。