欲望は自分自身を狂わせる

目の前に広がるのは…もう使われてない古い校舎。
錆び付いた机や椅子がそのままに放置されてた。
雑草も生え放題で…。
校舎の硝子の窓も割れてて…。

廃墟のように…。


1年前…私はここで、未開封のリップを焼却炉に捨てようとした。
その時…出会ったのが菫さんだった。
優しげな表情で…輝いた瞳。
私に勇気をくれた人。

「どうして…私は…こんなめに…。」
「誰からも…必要と、されてない…からよ?」

声のする方へ振り返ると…そこに居たのは、菫さんだった。
冷たく清んだ輝きの無い目。
長い黒髪が恐怖を産むよう……。