「スースー」

エルが寝てしばらくすると小さな寝息が聞こえてきた。

エルの柔らかく綺麗な髪を指で梳く

その感触に少し微笑む。


「妹君の髪をなでてニヤけるなんて気持ち悪い王子ですね」

「…」

いつもそうだ。エルを可愛がっている時に限って邪魔が入る。

しかもぼぼ100%こいつが邪魔をする。

「妹を可愛がって何が悪い」

「何も妹君を可愛がることが悪いとは言いません。ただ、にやけているのが気持ち悪いのです。」

「うるさいぞゼノ」

「申し訳ありません。ノエル様が膝の上で寝ているなんて羨ましいと思いまして」

「…」