「でね!ここが音楽室で、こっちが美術室!」


「そうなんだ!ありがとう!亜美ちゃん」


「えへへへ!いいの!ほんとにもう可愛いんだから!!」


「か、可愛くないよっ!?」


何故、俺と前川、深澤のほかに幼馴染がいると言うと...。




あの後、前川がどうせだからちゃんと案内してあげるよ!なんて馬鹿みたいなことを言い出したから

俺は適当に理由をつけて帰ろうとしていた、がそれは丁度クラスを訪れた亜美の言葉によって遮られた


「何してるのー?騒がしくない?」


「亜美...」


「亜美ちゃんやっほ!」


「明らかに嫌な顔したでしょ!?...ん、前川くんやっほ...それとそちらは...なっ!!」


あぁ、もうダメだ、今日は帰りが遅くなる。そう確信した。

深澤を見た亜美は颯爽と瞳を輝かせた。

知ってた、だから早く帰ろうとしたのに。




「か、かか可愛いっっ!!えっなに!?転校生?ハーフ!?日本語話せるっ!?」


「えぇっと...?」


「ぁ、ごめんね!急に!!
私は早田 亜美って言うの!亮太の、幼馴染みです!」


「早田、さん...?ぁっ、私は深澤 雪菜です」


「亜美でいいよ!雪菜ちゃんかァァ!名前も可愛い!!」


「可愛い...?」


俺の幼馴染は可愛いもの、綺麗なもの、美しいものには目がない。

彼女を一目見れば絶対にこんなことになるとは思っていた。


それから何故か意気投合したようで前川と亜美に両腕を掴まれ引き摺られるようにして校内案内へと道ずれにされたのだ。



とんだ迷惑