だけど、あの日。

透を見つけ出した日。

透の家は俺が見つけた時には既に、赤く赤く燃え上がっていた。

そして1人の死神と1人の天使が対立していたのだ。

「貴方の手は赤く汚れている、その手でこの子は触らせる訳にはいかないわ」

天使が嫌いな俺でも、女の天使なのに凛としていてかっこいい天使だと思った。

天使と死神は俺の存在に気付いたのか

同時に「誰っ!?」「誰だっ!?」と叫んだ。

透はその間ずっと「誰か…誰か…助けて」と助けを求めていたが俺は何も出来なかった。

というよりは死神が居る時点でこの子の寿命なのだ。

寿命が来ない限り、死神は姿を現さない。

そして俺達天使や悪魔ですらその人間の寿命には関与してはいけない筈だった。