「子役時代一緒に仕事してた事があったんだよ、彼女も君と同じぐらい売れててね、将来いい女優になるって言われてたっけ」

その後に冴凪さんは"でも"と付け加える。

「その後彼女はテレビから消え残ったのは君の方だった」

「………っ!!」

ズキンズキンと頭が疼く。

ぼんやりと頭の上に思い浮かんでくる笑顔の女の子。

その子は小さい頃の俺に言うんだ。

「大人になっても私達ずーっと芸能界に居ようね」と。

「……み……さ…き………ちゃん」

「例え今はアイドルとしてやってようが彼女は手を抜いてねーよ。また演技をしたいとも言ってるらしいからいずれ共演する日も近いかもな」


ぼんやりとしてる頭のなかに冴凪さんの声が響く。

その喋り方は懐かしい昔の冴凪さんの喋り方だった。