平凡な私

「結ナイスシュート」


「ありがと!愛月もナイスパス」


手を合わせハイタッチ。結(ゆい)私と同じ中学校出身で、その時から一緒にプレーしてきた。
いい部活仲間。
彼女もまた、実力者の1人だった。


ふと、体育館の反面を使っている男バスを結が見た。


「男バスも、最近順調だよねー」


「あぁ、そうだね。」


私たちと同じく男バスもまた、ノリに乗り始めていた。
まぁ、部員の仲はイマイチみたいだけど。
とは言っても3年生の数人がが2年生の達を良く思ってないだけ。ただの妬みだ。


「おはよう、言ってこなくていいの?隼人くん、だっけ。」


「えっっ、いいよ別に!」


男バスの隼人くんと結は今年から付き合い始めていた。
まぁ二人とも案外サバサバしていて、部活も恋愛も割り振ってるみたいだった。
けどまぁ、彼のことを話す彼女は部活の時とはまた違う輝きを放っていて、とても楽しそうだった。


「でも...あ、ほらこっち見てる」


「う、うそっ」


結がそちら慌ててみるとバッチリ目が合ったようで二人ともほんのりと頬を染めていた。
初々しい、カップルだなぁ。


「ほーら、言ってきなよ」


ドン、と結の背中を押す。そうするとよろけながらも小さく頷いて彼の方へ小走りでかけて行った。


うん、なかなかいい事した気分。
2人はお似合いだと思う、どちらもある程度顔が整ってて、バスケの才能にも恵まれて...。


「やっぱあぁいう子達が付き合うのに適してる」


「っ...莉子」


ふと後ろから聞こえた声に振り向く。苦笑いしながら莉子が立っていた。


「なーんて考えてたでしょ?おはよ」






「...まぁ、ホントのことでしょ?おはよ。」


「全く、愛月も別にブサイクとかじゃないし、普通より可愛い方じゃない。探せば直ぐに恋人なんてGETできちゃうのに」


「それはめんどくさい」


「言うと思ったー。ほら、せっかく迎えに来てあげたんだから片付けて教室行くよ?」


「うん」


軽く頷くと服を制服に着替えて荷物を持つと出口て待っている莉子の方へ掛けた。
教室に着くと何人かにおはよう、と声をかけられ、こちらからもおはよう、と返す。

正直、確かに恋愛もいいのかもしれない、なんて幸せそうな結とか街中のカップルを見ると思わないことも無い。
けど、どうしてもこの人がいい!なんて運命的なものは私にはなくて、顔が整ってる人とか見ても、でもやっぱバスケが1番、とそれらの考えもすべて消え失せてしまう。
別に急いでるわけじゃないから焦る必要も無いんだけどね。


暫く莉子と他愛のない話をしていれば担任がきてホームルームが始まった。


今日もまたいつもと同じように時間が過ぎる。