～甘い香りに誘われて～三度目の涙

「俺、氷室・蓮。ここの者だからよろしくな？」

ここの……人？
…ん？
ってことは…このお店の店長!？
私と差ほど歳の変わらない男の子だと思っていたから
驚きを隠せなかった。

「凄い驚いた顔、してるね」

無邪気に笑いながら彼は私を見ていた。
私に優しく、話しかけてくれる彼が私は嬉しかった。
今まで…私に暗い人生しか見せて暮れなかったのが…
ずっと人生を変えてくれるような運命に出会いたいと願っていたのが…今、叶ったような気がしていた。

「私と同じぐらいと思っていたので…。」
「俺、高３だけど？一応。」
「なのに…お店を、運営…？」

高校３年生でお店を経営してる人なんて初めて聞いた
ことで、またしても驚きを隠せなかった。
私より１つ上の先輩で、やはり差ほど歳の変わらない
男の子だった。

「どうして…お店を？」
「これが俺の夢だからだよ」
「夢…。」