「まだ入学したばかりの頃、放課後の教室で泣いてだろ?」
「っ!!」
その言葉に思わず、頭から水をかけられたように冷や汗が流れる。
確かにあの日、私が1人でいた時、蒼井が焦った顔で教室に入ってきた。
てっきり何か忘れ物をしたのかと思って、走って教室に戻ってきたのかと思っていた。
けど、この言い方は……
私が教室にいた時からずっと……
“ あの ” 瞬間を、見られていた?
「り、莉世……?」
ドックン、ドックン。
鼓動が、早い。
あの瞬間を見られていた。
あの姿を見られていた。
絶対に誰にも見られたらダメなのに。
どうしよう、どうしよう。
背中に、身体中から嫌な汗が吹き出す。
やばい、震えが………
とまらない。
いや、いや、いや…………
「莉世」
──────ぎゅっ



