「ちょっ、ここ教室だって!!」
みんな、問題を解くのに夢中だからって、この距離は……!!
はたから見れば、顔が近すぎてキスしてるように見えるかもしれないじゃない。
変な誤解、されたくないんだけど……
「大丈夫。1番後ろの席だし、誰も見てねえって」
「け、けどっ……」
「あのな、莉世」
慌てる私の言葉に被せるように、全く気にしないと、はっきりと言い聞かせるように告げた蒼井。
有無を言わさないその視線に、思わず口をつぐんだ。
「今は俺の話聞いて」
「うん……」
「俺はさ、もう後悔したくないんだよ」
「後、悔……?」
周りはガヤガヤして騒がしいはずなのに、この空間にいるのは蒼井と、私だけしかいない感覚になる。
あまりに蒼井が真剣な表情で。
その瞳に吸い込まれそうなほど、落ち着いた声だったから。



