「2人がどういう関係なのかは知らねーけど、莉世を怖がらせたりしたら、俺も黙ってねーから。それだけは頭に入れとけよ。じゃ」
「はあ?ちょ、ちょっと、待っ……」
慌てる天野くんを鋭い目線で突き放し、私の肩をぎゅっと引き寄せて、歩き出した蒼井。
「あ、蒼……」
隣を歩く蒼井を見上げれば、さっきのピリピリとした雰囲気はもうなくて。
“ 大丈夫
心配すんな ”
そんな優しい声が聞こえた気がして、冷たかった心がほんのりあたたかくなる。
蒼井の隣、安心する……
この気持ちが、天野くんと会った後だからなのか、ただの思い違いなのかは分からない。
でも、でもね……
今までに感じたことのない。
心臓がトクンと跳ねたのは、気のせいじゃない。
「今日の委員会の仕事は俺が家でやっとくから。莉世はもう帰って休みな?送ってく」
「で、でも……っ」
慌てて大丈夫だと断ろうとしたけれど、
「ダーメ。これは俺のお願い。
素直に俺に送られるか、ここで俺にあま〜いキスされるか。どっちがいい?」
き、キスっ!!?
ま、また、確信犯だ……
ずいっと顔を近づけられ、私の視線はふいっと逸らすことしかできなくて。
「お……」
「お?」
「……送る方でお願いします」
「うん。素直でよろしい」
またニッと満足気に笑ってポンポンと頭をなでられて。
またホッと安心した気持ちになったのは、なんで、なのかな……?



