「俺は、霧雨さんに話があるんだけど。
ね?霧雨さん」
「っ!!」
その恐ろしい表情に、背筋がゾクリとする。
まるで、
“ 逃がさないよ ”
そう、言ってるみたいな。
私を安心させようとしているのか、にっこり笑っているけれど、その笑みが嘘だってことはすぐに分かる。
あなたも……変わってしまったから。
昔は光の中でキラキラ笑っていたのに、今はそれが、ない。
ただ顔に、笑顔を貼り付けているだけ。
「莉世は今体調悪いから、お前と話せる状態じゃない」
「は?なんで無関係のお前にそんなこと……」
「関係あるなしの話じゃなくて、莉世の身体の心配してんだろーが。そんなことも分かんないわけ?」
「っ……」
「それに、無理させてでもする話ってなに?
そんなに重要な話なら、今ここで言えよ」
聞いたことのないような地を這うような低い声に、天野くんも言葉を失ったようで。
蒼、井……
後ろから見る蒼井の背中は、とても大きくて、頼もしくて。
また、胸がドキンと音を立てた。
「莉世、大丈夫?
歩けるか?」
「う、うん……」



