モテ男子が恋愛したくない私に本気をだした結果。

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「おっ、結構集まってるじゃん。
ん?座る席、決まってるっぽいな」


「私たちは、あっちの方じゃない?」


「さすが莉世、頼もしい」


「別にこれくらい、黒板見れば誰でも分かるでしょ」

「ふはっ、絶対そう言うと思った」


なんて、また面白いと笑うから、ふいっと蒼井から顔を背けた。


ほんと、大げさ……


ため息をつきながらも、仕方ないなぁと席に行こうとした途端。


「っ!!」

「どうした?」


「い、いや……なんでも、ない」


目に入ってきた人物に、一瞬身体が凍りついた。


う、嘘……

な、なんで……


心臓がドクドクと嫌な音を立てて、血液が逆流するよう感覚に襲われる。


な、なんであの人までここに……


偶然、偶然だよね……?


「莉世?
顔色、悪いけど大丈夫か?」

「へ、平気っ……」


違うクラスだし、同じ実行委員だからって、話す機会なんかほとんどないはず。


だから、大……丈夫。


目を合わせなければ大丈夫。

視界に入れなければ大丈夫。


そう、思っていたのに。


「っ!!」


あの人がこっちを見た瞬間。

つらい記憶がまた、蘇ってきたような気がした。