「その焦ってる姿も、抱きしめた時の姿も全部が可愛い。マジで、俺のものにしたい」
「お断りします」
「なになに、もう!!
蒼井くんてば、莉世にぞっこんじゃない!!」
「宙くんが……!
私たちの宙くんがっ……!!」
「でも霧雨さんじゃ、勝ち目ないよ……
諦めな、みんな」
「蒼井くん、あんな甘い顔するんだ……
ますます、カッコイイ!!」
なによこれ……
キャーキャーと騒ぐ女子。
シクシクと泣き始める女子。
目の前では顔が大変なことになってる大事な友達。
そして、
「ん?もっとギュっとしてほしい?」
なんでそう、ニッと自信満々に笑えるんだろうか……
私は死んだ魚のような目をしてるはずなのに、全て変な方向に持っていく不審者蒼井。
どうしてこんなことになってるの?
どうして私がこんな目に?
どれもこれも全部、蒼井のせいだバカっ!!
それからすぐにチャイムが鳴ったものの、教室の中はカオス化していた。



