自業自得。


いて〜と、顔をしかめながら手のひらを擦る姿を横目で見つつ歩き出せば、後ろから蒼井が追いかけてきた。


「なあ……そんなに、したくない?」


「したくない」


「照れてるから?」


「そう。照れてるから……って、ちがっ……!?」


気づけば、すっぽり覆われる身体と、

ふわっと鼻をくすぐった、甘い香り。


「なっ……!?
離してよ!!」


「無理。
油断してた莉世が悪い」


そうやって、またぎゅっと力が込められる。


蒼井、きつく抱きしめすぎ……っ!


それに、こんなの恥ずかしい……!


ピタッとくっつく身体に、後ろへ腰を引こうとすれば、


「なんで、離れようとすんだよ」


「だ、だって………!!」


蒼井が近すぎるから……


それに、なんかいい香りして、変に心臓早いし……


なんて、たぶん嬉しそうにするだろうから、口が裂けても言わない。