「冗談言わないで……」
射抜くような視線に見つめられ、思わずふいっと顔を横に向けるけれど、あごをクイッと持ち上げられた。
「っ……」
必然的に交わる視線。
「冗談なんかじゃねーよ。
前にも言ったろ?俺は本気で莉世のことが好きだって」
「っ……」
一瞬、胸がドキンと跳ね上がった。
「今更俺から逃げようなんて、させないから。莉世がどこに逃げようとしても、絶対に逃がさない。俺は莉世のこと、諦めないから」
そして、またグッと一気に縮められた距離。
「ま、待って…蒼井っ…!」
「待たない。」
ふっと笑った蒼井の息が唇にかかって、唇が触れるまで、あと数センチ………
キス、される……
思わず、目を閉じた時。



