「つまりは俺とふたりっきりになるわけ」
「だから?」
「校内中でプレイボーイ、彼女が尽きないと噂の俺と、ふたりっきり。さて、ここで起こることと言えば?」
「起こる、こと?」
「あ、蒼井くんっ……!!」
「ちょっ、どうしたの歩優!!?
顔真っ赤だよ!!?」
頬を真っ赤に染めて、恥ずかしそうにする歩優。
歩優のこんな姿、初めて見たかも……
って、そうじゃない。
私には全然分かんないんだけど……
歩優はどうやら気づいてるみたいだし。
私だけ分からないのは、なんだか気に入らない。
「ここまで言っても、まだ分かんない?」
「そうだけど?
蒼井は一体何を言って………」
その途端。
グルっと世界が歪んで、気づいた時には視界を埋め尽くすのは、青い空と、蒼井の顔。



