「よし。
映画見に行く約束だったけど、予定変更」


「え?」


すると1人頷いた蒼井は、そのまま私を抱き上げて、スタスタと歩き始める。


「え、えっ?
予定変更って……」


もはや力が入らない私は、抵抗することはできず、されるがまま。


「今から俺の部屋行く」


「蒼井の、部屋……?」


首を傾げる私に、蒼井は耳元に口づけを落とすと、囁いた。


「莉世が欲しい。
独占したくて、俺のものにしたくてたまらない。
もっともっと、俺に愛されてよ」


「っ!!」



蒼井が言ってるのっで、きっとそういう……こと、だよね?


その意味を理解した私は、心臓がバクバクしているけど、それ以上に、嬉しくて、幸せで。


思わずその首に、ぎゅっと抱きついた。


「うん。
私も……蒼井が欲しい」


こんな時くらい、素直になってもいいよね?


そう思って、自分なりの最上級の甘えた言葉を言ってみた。



「あー、もう……急に素直になるの、ほんと心臓に悪い。それは、俺を誘ってるって、取ってもいいんだよな?」


「うん……」


コクっと頷くと、蒼井はみるみるうちに嬉しそうに、私の大好きな笑顔で笑った。


「仰せのままに」