「私じゃなくて、他の女の子にすれば?
例えば、あそこにいる子たちとか……」


教室の真ん中で目立つ、派手な女子。

私が苦手というか、嫌いな人種の、蒼井にべったりな人達。


「ん〜」


チラッと蒼井がそっちを見た瞬間。


「今宙くん、こっち見た!!」

「もしかして、私たちにハグしてくれるのかな!?」


きゃあ!!

なんて、黄色い悲鳴を上げて、騒ぎまくるその女子たち。

目が合うだけで、そこまで?


あ、そういや、歩優もそうだったっけ……

私には一生理解できなさそう……


「俺は莉世だから、ハグしたいし、近づきたいし、触れたいの。アイツらなんか、眼中にもない」


「え………」


にっこり笑っているはずなのに、なんだか空気がピリッとしてシーンと静まる教室。


キャッキャウフフと騒いでいた女子たちも皆、蒼井の言葉に驚いている模様。


え、え、急にどうしたの?


他の女の子は眼中にない……?