「心の病気を発症した私に、お母さんとお父さんは苦しんだよね……?私に真実を話すべきか、話さないべきか……。お母さんたちだって、莉香を失って苦しかったはずなのに、そんな苦渋の決断をさせてしまった。本当に、ごめんなさい……っ」
「莉、世………っ」
ますます震えるお母さんに、私は続けた。
「私のためを思って、私がこれ以上傷つかないようにって、話さないでおいてくれたんだよね……っ?事実を知ったら、また私が1人で自分を責めるだろうからって………」
お母さんは自分が悪いって、バカでダメな親だって言ったけど、そんなことない……っ!!
「娘の私を思って、その苦渋の決断をしてくれたこと。敢えて私に話さないで、その悔しさを抱え込もうとしたお母さんは、ダメなんかじゃないよ」
「莉世………っ」
「莉香が亡くなって今まで、仕事よりも、病院に付き添ってあげるべきだったって。後悔して、苦しんできたその気持ちは、何よりも大事な娘の莉香を、自殺という道を選ばせてしまった自分を、悔やんでるからでしょ……?」
もしそうじゃなかったら、こうやって涙を流すことだって、苦しむことだって、絶対にないはず。
それが、何よりの証拠だから……
「お母さんは、今も昔もずっと、私達娘のことを誰よりも1番に考えてくれてる。大切に思ってくれてる。お母さんはダメなんかじゃない。私達2人の、たった1人の、大好きなお母さんだよ」
そう目を見てはっきり言うと、お母さんはぎゅっとまた私を抱きしめた。
「ごめんね、莉世……っ、ありがとう……っ」
「私も……っ、ごめんね、お母さん。
ありがとう……」
それからずっと抱きしめた合ったまま泣き続けた私とお母さんは、ゆっくり体を離した頃には、お互い目がパンパンに腫れていて、声を上げて笑った。



