「あの日、莉世は普通に学校に行っていたし、私もお父さんも、仕事で莉香に付き添ってあげられなくて、莉香1人がその結果を聞きに行ったの」
そう、だった。
あの日は確か、莉香1人が学校を休んで、病院へ結果を聞きに行ったんだ。
「自殺だったって聞いて、思い当たることがそれしかなかった……っ。莉香が亡くなった後、病院で主治医の先生に聞きに行って、初めて宣告を受けていたことを知ったの………っ」
お母さんは、肩を震わせて涙をこぼす。
その姿に、胸がぎゅうっと締め付けられた。
どれだけつらかっただろう。
どれだけ心細かっただろう。
どれだけ泣いただろう。
まだ中2で、これからだって時に、幸せだって思っていたさ中に、余命宣告だなんて……
あの小さい背中でたった1人、その苦しさを抱え込んで。
その時の莉香の気持ちは、私なんかじゃ到底計り知れない。
「っ……」
視界がだんだんぼやけて、膝に置いた手の上に、ぽたぽたと涙の跡を作っていく。
情けない。
あの時、莉香に何もしてあげられなかった自分が、情けない。
もし、あの時莉香の傍にいたら。
莉香の様子がおかしいことに、気づいていれば。
莉香1人に、病気というその重みを背負わせることなんか、絶対になかったのに。



