「莉世、今日は早く帰ってきてね」


「今日?」


朝、学校へ行こうと玄関でローファーを履いていると、お母さんがリビングから出てきた。


「うん。
大事な話があるから」


「大事な話?」


なんだろう……?


何か緊急の用事とか?


首を傾げる私に、お母さんはそれだけ言ってポンと背中を押した。


「はい、話の続きはまた帰ってきてからね。
じゃあいってらっしゃい」


「ああ、うん。
行ってきます……」



頭に?マークが浮かぶ私とは裏腹に、梅雨が終わった空は、雲1つない、快晴だった。