「あっ、またバカって言ったね?
ふーん、やっぱり照れてるんじゃん」


「っ……」


そう言って私を見てクスクス笑う。


ムカつく。

ムカつく、ムカつく、ムカつく!!!!


「蒼井ってさ、人をイラつかせる天才だね」


「お褒めに預かり、どーも。
莉世、限定だけどな?」


ああ、ホントにイライラする。


ただでさえ、眠い朝なのに、どうしてこうも人を挑発するようなことばかり言うんだろうか。


プレイボーイだから?


女の子相手には、なんでも負けないってこと?



「てかさ、ん」


は?

「その両手は、なに?」


バッと両手を広げて、ニコニコ笑って私を見つめる。

おいで、そう言ってるみたいな。