私には、大好きな双子の姉がいた。


素直になれない口下手な私とは違い、いつも笑顔が耐えず、まっすぐで。

まるで今の蒼井のように、太陽が似合う、明るい姉だった。


例えば私が教室で、人気の男の子から好意を寄せられていることを知った女の子たちから、良い目で見られてなかった時も。


素直になれなくて、ツンとした態度を両親に取ってしまった時も。


いつもいつも、莉香が励ましてくれて。

傍にいてくれて。


「莉世は口下手で素直じゃないとこもあるけど、その分、色んなことを考えてるでしょ?私はそれを知ってるから。だから、大丈夫!!」


同い年なのに、時に何歳も上のお姉ちゃんのような性格を見せた莉香。

そうやって、笑って元気づけてくれる莉香が、私は大好きでたまらなかった。


「莉世ーー!!!」


「なに?」


「今日伊吹くんと帰るから、先帰ってて!」


「りょーかい。
じゃあ帰ってきたら、一緒に勉強しよっか?
莉香が分かんないって言ってた所、私教えるから」


「ありがとう!!
莉世は頼もしいね!」


頼もしいのは莉香の方だよ。


でも時に、莉香が妹のように見える時もあって、双子っていうよりかは、お互い親友のような気分だった。


この時の私達は中2で、莉香は同じクラスの伊吹と付き合っていた。


「伊吹、今日一緒に帰るんだって?
莉香いつも惚気けてるよ?ラブラブじゃん」


「だろ?
莉世も早くそういう人、見つければ?」


「うるさいな〜
余計なお世話!!」


双子だから、もちろん莉香と同じクラスになることは小学校の頃から1度もなかったし、莉香と同じ教室の伊吹とも話したことはなかった。


でも莉香と付き合い始めてからは、私も伊吹と話すようになって。