「莉世……?
莉世っ!!!」


蒼井の私を呼ぶ声が、どんどん遠ざかっていく。


最後に、伝えたかったな………


自分なりに最大限素直になって、いつもの蒼井のように真正面からぶつかっていって。


あたたかくて、優しくて、でもどこか胸がときめくような甘い思い。


ばちが、当たったのかな……


どうしても逃れない過去に目をつぶって、きっと大丈夫だと。

浅はかな気持ちで幸せへと、手を伸ばそうとしていた私への、神様からの罰。


どこに行っても犯した罪からは逃れられない。


いくら大丈夫だと思っても。

いくら大丈夫だと言い聞かせても。


その壁を乗り越えていく覚悟と勇気がない、弱い自分のまま、変わらなければ。



「あお、い……」



目が閉じて真っ暗な闇に落ちていく寸前に、口に出そうとした言葉は、声になることはなく、代わりに一筋の涙としてこぼれ落ちた。




蒼井………



この“ 姿 ”を見ても、あなたは私を好きでいてくれる………?


完全に視界が暗闇に閉ざされ、意識が落ちるその瞬間。


最後に見えたのは蒼井の、大好きな青空の元で輝く太陽のような笑顔だった───。