──────放課後。
「じゃあ、パパッと終わらせて帰るか」
「うん……」
授業が終わり、周りが帰る準備を始める中、机をくっつけて作業を始めた。
「…………」
「…………」
もちろんお互い、何も話さない。
始めた時の会話以外はずっと無言で、やけに静かだな……と思っていたら、いつの間にか教室には誰もいなくなっていた。
チラリと正面に座る蒼井の顔を盗み見れば、伏せられた長い睫毛が影を落としている。
いつもの蒼井のはずなのに、そうじゃない。
明るく振舞っているようで、どこか元気がない。
それもこれも全部、昨日の私のせいだ……
「なに?俺の顔見て」
「っ!?」
その言葉に慌てて下を向く。
ば、バレてたっ……
「べ、別に見てないっ……」
「ふっ……ほんっとその反応、変わらないなぁ。でも、そういうところが可愛いんだけど」
「………」
クスクス笑い声が聞こえる中、熱を持つ顔を見られないよう、下を向いて黙々と作業を続ける。
ああ、もう…こんな時にそんなこと言わないで……
忘れたく、なくなるから……
終わりにしたはずの気持ちがまた混み上がってきそうで、ぎゅっと唇を噛み締める。
ダメ。
キッパリ忘れるって決めたんだから。
いつまでもウジウジしてちゃいけない。
「とりあえず、もう少し頑張ろ」
「うん」
それからなんとか雑念を振り払い、残りの作業に集中した。



