それから駅に着き、電車に乗って私の最寄り駅で降りた。
「蒼井……私なら1人で帰れるから大丈夫」
辺りはもう陽が落ちて、だいぶ暗い。
「なに言ってんの。
莉世のことが心配だから、ここまで来たんだし。たまには甘えてくれてもいいんだけど?」
そう言うと、はい、と手を差し出してきた。
「私のこと、子供扱いしてる?」
教室の時と同様、ムッときたので今度こそはと言い返すけれど、
「子供扱いじゃなくて、女の子……いや、好きな子扱い」
ふっと笑って私の手をぎゅっと握ってくるもんだから、解くに解けなくなってしまった。



