「………蒼井くん」
「なに?」
それから少しして、俺の方を見た和栗。
その目は切なげで、今にも泣きそうなくらい揺らめいていた。
「私から、莉世のことを話すことはできない」
「……そっか」
そりゃあ、そうだよな……
いくら友達だからといって、赤の他人にしかもまだ出会って間もない俺に、あれこれ話してくれるはずがない。
「でも、1つだけ言うとしたら……」
「言うと、したら?」
その目はさっきの儚いものとは違って、強い意志が垣間見えた気がして。
俺もまっすぐその目を見た。
「莉世を……私の親友を、救えるのは蒼井くんだけってこと」
その声は、とても強く、強く、俺の心にスっと入り込んできた。



