「が、我慢?」
「ま、それはおいおい教えてあげる」
「いや、遠慮しとく」
一瞬、その楽しそうな微笑みに背筋がぞくりとしたのはきっと、気のせいじゃない。
「もしくは、押し倒す……かな」
「バカっ!!」
頭にジーンと残るような、甘ったるい低音で囁かれ、私の頭はショート寸前。
心臓はバックバクで、全身が熱い。
押し倒すとか、頭おかしいんじゃないの!?
「とにかく、そういうことだから。
あ、もしご所望であれば、いつでもするから」
「絶対お断り」
離れて!!と、身体を押しのけて教室へと歩く私の隣で、追いついてきた蒼井がなんだか嬉しそうにクスクスと笑う。
「莉世、顔赤いよ?」
「赤くない」
「赤いって」
「勝手に言ってれば」
ほんと、何言ってるのよ!!
やっぱり蒼井は正統派イケメンなんか、1ミリにも入らない。
ただのチャラ男で、プレイボーイだ。
それと、自分の身体のためにも、もう二度と蒼井の傍を離れないようにと心に誓った。



