空き教室に着いた頃には私の精神はズタボロだった。
明日になったら……
いや、もう今日のうちに蒼井と付き合ってる噂が流れるかもしれない。
「着いたけど、このまま入るわ」
え、このまま入るの?
───────ガラッ!!
私、終わった……
反論する余地もなく、蒼井はドアを開けた。
「ちょっと!!
遅いじゃない!!
なに、道草くって……って、そ、宙くん?」
え……、なにこの状況……?
見れば、呼び出されたのは1人にだけかと思っていたけれど、実際にいたのは6人くらい。
しかも、みんな2年生みたい。
「な、なんで宙くんも一緒に……っ?」
途端に青い顔をして、慌てる彼女たち。
え、そこ?
まずはお姫様だっこした状態で来たことに突っ込むんじゃないの?
すると、蒼井は私をそっと床に下ろすと、にっこり笑って先輩たちを見下ろした。
「こんな可愛い子、1人で校内歩かせるとか俺の心臓が持たないんだよね」
「っ!?」
蒼井は何を言ってるんだろうか……
肩をぎゅっと引き寄せられ、抵抗しようかと思ったけれど、蒼井の圧倒されるような雰囲気に思わず口をつぐんだ。
笑ってるはずなのに、笑ってない。
ヘラヘラしてるはずなのに、いつもの柔らかい雰囲気を感じさせない。



