ふわっと香る、甘い香り。
顔を上げれば、目の前には私を覗き込む整った顔。
「蒼井?
戻って……」
そしてそのままぎゅっと抱きしめられた。
っ!?
「きゃあぁぁぁーー!!!」
「霧雨さんと蒼井くんがハグしてる!!」
途端にキャーキャーと騒がしくなる周り。
耳が壊れそうなくらい、うるさい女子たち。
そういやここ、廊下だった!!
「ちょっと、蒼井!?離して!!
てか、私2年の先輩から呼び出され……」
こんなの見られるとか処刑レベル!!
完全に、付き合ってるって勘違いされる!!
それだけはダメっ……!
慌ててグイッと押しのけて離れようとするけれど、
「っ……あたっ!?」
おでこをツンとつつかれた。
「ちょっと!!何するの!?
痛いんだけど?」
こんなに人がたくさんいるところで抱きしめられるわ、おでこをつつかれるわで、最悪極まりない。
「蒼井、聞いて……っ!?」
キッと顔を上げて睨めば、とんでもないくらい不機嫌な表情の蒼井がいた。



