「結、そんな不安そうな顔するな。
大阪なんて新幹線で2時間半だから、帰れる
限り帰ってくるよ。」

「うん。」

嘘!? 私、顔に出てた?

だけど、ダメ。
海翔がいないなんて、耐えられない。

泣いちゃダメって分かってるのに。

「結…」

箸を置いた海翔が立ち上がって、私の所に来た。

そのままそっと私を抱き寄せる。


そんなに優しくしないで。

我慢できなくなる。

涙が止めどなく溢れ、嗚咽も漏れた。

「海翔と離れるなんて嫌だよ。
海翔は平気なの?」

私が掠れる声で絞り出すように言うと、

「平気な訳ないだろ。
だけど、俺は結が思ってるより、ずっと
結を愛してる。
だから、結が心変わりしない限り、
俺たちは離れても大丈夫だ。
きっと乗り越えられる。」

そう言って、私を抱く腕に力を込めた。