遠距離の彼 と 近距離の同期

・:*:・:・:・:*:・

4月28日(日) 10時。

天が迎えに来た。

私は着替えとラケットを持って、部屋を出る。

いつも通りの天…に見えるけど、この間から何かが違う気がする。

なんだろう?

一昨日も、ナンパするなって茶化された後、全然喋らなくなったし。

「いつも迎えに来てくれて、ありがとね。」

そう言って、車に乗り込むと、

「今日はやけに素直じゃん。」

と笑われた。

「失礼ね。私だってお礼ぐらい言えます!!」

ふんっと私はそっぽを向いて、窓の外を眺めた。

海翔が大阪に行った日には、淡いピンクに染まっていた桜並木が、今は新緑に包まれている。

「たかが1ヶ月で、景色って変わるんだね。」

私はポツリと呟いた。